「イーヤーダー!!!」

高い所なんて嫌いだ!!

馬鹿と煙は高い所が好きとかいうけど私は嫌いだ!!

ロープーウェイに乗る時に手を繋いで貰って乗ったという友人は勇者だ!!

私は嫌で欠席したし。

高い所から下を見れば気分が悪くなるし階段の手すりなんてモノは持ったこともない。

そんな私がこんな状況に・・・ヒッポクリフの背中なんかに乗る羽目になったのは・・。

















。今日はこれに乗せてやる」

友人であるハグリットが自慢げにヒッポクリフを見せられた。

彼の珍獣好きにはとても感心する。

博識で対応も凄いと思う。

残念なのは皆が自分と同じ感想を・・・つまり喜ぶと思ってしてくれてること。

ヒッポクリフの背中ぐらいは我慢できるかと背に乗った。

「・・・・・・・怖い」

いつもより高い視線に血の気が引く。

「気持ち良いだろ。今度授業で誰かを乗せるつもりなんだぞ」

一番乗りだというハグリットの好意はとても嬉しいのだが。

「・・・・気が利かないのが欠点よね」

高い所が嫌いと言うことを伝えたはずなのに。

「じゃあ空の旅でも行って来い」

バチン

嫌な言葉を聞いた。

ソラノタビ?

ばさりと翼を広げたヒッポクリフの背から飛び降りれるはずもなく。

「イヤァァァァ」

盛大な叫び声を上げたにハグリットは微笑ましそうに見守っていた。









「たーすーけーてぇぇぇぇぇぇ」

目が眩むほどの高さで飛び続けてるヒッポクリフの背にしがみついて叫んでいたはどこに向かっているか気付いてなかった。

「・・・・あれは」

薬草園の帰りであるスネイプがその叫び声を聞いたわけである。

視線を上げるとヒッポクリフとその背に乗る高所恐怖症の恋人の姿があったのだ。

「何をしているんだ」

溜息を吐きながら足早に後を追ったのだった。

「もう駄目・・・・」

飛ぶスピードはゆっくりだがあまりにも地面との距離があることに目眩がする。

「地に足がついた生活してたのにぃぃぃぃ」

っ」

声がした。

恐る恐る下を見ればスネイプ先生。

「先生・・・助けてー」

泣きそうだ。

泣く前に地面に激突する。

ぐらり

「キャァァァァァァア」

いきなり方向転換したヒッポクリフの背から振り落とされた。

汗で手が滑ってしまったのも原因の一つだろう。

落ちる!!!

重力が地面へ身体を引っ張っていた。

ニュートンの林檎が頭をよぎる。

「ウィンガーディアム・レヴィオーサ!」

ふわり

重力の目に見えない鎖から解き放たれた。

ふわふわとは空中をゆっくり落下していた。

下にはスネイプが必死で杖を向けている。

助かった・・・。

その安堵感にそういえばと自分の格好を思い出す。

ローブの下は制服だったと。

「キャー!」

「な・・なんだ!!」

いきなり叫んだに驚いた表情のスネイプ。

しかし集中力は途切れさせない。

途切れたら魔法は効力が失せるから。

そんな理由も知らずはスカートの裾を押さえた。

「下着見たでしょ!?」

先生のエッチ!!!

「なっ!!!」

言われた言葉についつい視線が向いてしまったのは仕方ないことだと思いたい。

スネイプが焦ったため集中力は途切れてしまった。

「キャアァァ」

ドサリ

「・・・・・痛く・・・ない?」

恐る恐る目をあければスネイプの顔が目の前。

「全く・・・手間のかかる」

怪我がないことを確認して地面へ降ろした。

「ありがとうございます」

地面へ降りて落ち着いたが見たものは撒き散らされた薬草と放り出された杖。

何よりもスネイプ先生に大切なものなのに自分を優先してくれた。

その事実に恥ずかしさも仕方ないかと思えた。

「先生・・・・本当にありがとう」

そう頬にキスして駄目になった薬草を二人揃って摘みに行く。

「で見たんですよね?」

「・・・・・・・・・」

「見たんですよね?」

「・・・・見えたの間違いだろう」

「どうでした?」

「・・・・・黒はやめとけ」

その言葉にスネイプの頬にバチンと紅葉型の手形がしっかりと押されたのは言うまでもない。