教職員トイレ。

ホグワーツでは一つしかない其処はトイレではマートルの女子トイレの次に人気のない場所である。

なんといっても広大なホグワーツ。

殆どの教師は生徒も使うトイレが近い場合はそっちを使用するからだ。

そんな中魔法薬学教師だけは頑なにその教職員トイレを使用している。

理由は生徒にかち合うのを避けるため、だ。

日頃からグリフィンドールの生徒らに好かれているとは思えない生活を送っているのだから

隙は見せないようにとわざわざこのトイレを使用しているのだ。















カチャカチャ

ズボンの内ボタンを外し取り出す。

こんな無防備な所を襲われでもしたらひとたまりもないだろうと用を足そうとした。

「先生のおっきいですね〜」

「は・・・」

呑気な声で感想を漏らしひょこりと覗き込んでいるのはグリフィンドールの少女だった。

「@〜♀#£¥っ!」

声にならない叫びをあげてスネイプは慌てて隠した。

「気にしないでどうぞ続きをしてください」

「できるかっ!」

やっと言葉が出せるまで回復したスネイプはごそごそとボタンをはめている。

「しなくていいんですか?」

「お前のせいで尿意も吹き飛んだわ!」

カッと怒鳴ってもこの少女にはどこ吹く風だ。

「なぜこんな所にいる」

ドスが効いていると自分でも思うが仕方ないだろう。

用を足そうとした時に斜め後ろから覗き込まれ感想まで述べられたら見られたほうは喜ぶか困って泣くか怒るしかないだろう。

そして自分は怒る以外の選択肢など持ち合わせてない。

「男子トイレに前から入ってみたかったんですが此処なら人来ないしいいかなーって」

「なぜ我輩が入った時に言わんのだ!」

「どうせ怒られるならと思いまして」

そう言って笑う少女に頭痛すらする。

「自分のしたことがわかっているのか!?痴漢行為だぞこれは!」

怒りのため近寄る。

ジリジリと壁際まで追い詰めるとどんと少女の背中が壁に当たった。

腕を掴んだ。

「いやぁぁあああ!」

がつん!

「ぐうっ!」

少女の膝がスネイプの股間に見事に入った。

痛い、これは痛すぎる。

トイレのあまり綺麗とも思えない床に悶絶しているスネイプを余所に少女は泣きながら逃げていった。

「男子トイレでスネイプ先生に汚(い手で触れられ)されたぁ〜(泣)」

遠くなる声を聞きながら泣きたいのは我輩だと唸ったスネイプの声は誰にも聞かれることはなく。

しばらくの間誤解が解けるまで肩身の狭い思いをしたのだった。











一勝一敗?