呼び出された
昔の友人・・・というより腐れ縁の男
手紙の最初に書かれた貴重な薬草が手に入ったのくだりで暖炉にフルーパウダーを投げ入れていた
「よく来たね、セブルス。相変わらず顔色悪いな」
ちゃんと食べてる?と聞く男は学生時代と変わらない笑顔をスネイプに向けていた。
「お前が良すぎるんだ」
ふんと鼻で笑ってもそうかなとへらりと笑う男。
ポッターとよく似ているこの男が何故スリザリン生で何故スネイプの友人などしているのかがよくわからない。
「で、何のようだ」
貴重な薬草が手に入ったと聞いたがと聞けば呆れたようにふうと息を吐いて笑い出した。
「何がおかしいんんだ。」
「いや、君は変わらないと思ってさ」
笑いをこのままだとますますスネイプの機嫌が悪くなるとようやく思い至ったのかぐふりという妙な音で止めて言った。
「まあまあ。こんな玄関じゃ話もできないよ。散らかってて悪いけど上がって」
玄関から上がればつんと鼻にくる畳の匂い。
「用件だけで我輩は帰るんだからな」
時間がないと釘をさす。
しかしと呼ばれた男の方が一枚上手だ。
「君の研究で必要なあれを手にいれたのにそんなつれない事言わずにさあ」
あれ。
ピクリとスネイプの眉が上がる。
「それは本当にあれなのか?」
幻の薬草。
スネイプが研究しているものの中で一番手に入りにくい薬草。
「うん。僕が見つけたとき一緒に同行してくれた人が5万ガリオン出すって言ってた」
「5万っ!?」
その位の価値はあるのだと知っていたが知っているだけと聞くのではまた違う。
「よく売らなかったな」
「うん、僕も売れるなら売ってあげたんだけどね」
売れない理由。スネイプを呼んだ理由。
それこそが聞きたかったこと。
「お前は―――」
「パパぁ?」
質問は幼い声によって遮られた。
「おー!!。起きたか?」
怖い夢は見なかっただろう?
そう笑う男は昔の笑顔のまま。
スネイプはふるふると震えたまま告げた。
「お前が父親だと!?」
世も末だ、嘘をつくな、馬鹿も休み休み言えという言葉がその一言に込められていた。
「可愛いだろ〜。僕のお姫様だからねーはvv」
ひょいと抱き上げられた小さな身体。
さらさらの髪は寝癖が少しついていた。
白いワンピースから伸びる手足は紅葉と呼ばれる葉と同じくらいの大きさで。
「爪まで小さいのだな」
ピンク色の爪にそっと触れた。
「パパ?この人だぁれ?」
舌足らずに話し、好奇心旺盛そうな瞳を向ける子供には笑って答えた。
「この人はね、パパのお友達だよ」
セブルス・スネイプっていうんだよ。
「おともだち?」
くるりとを見ていた瞳がスネイプを見つめた。
「ともおともだち?」
首を傾げる姿に馬鹿父は「カっ・・・カメラっ!!」と叫んでを降ろして家の奥へと消えていった。
残されたのはスネイプとの娘。
どうしろというのだとじっと見ていたら手を差し延ばされた。
「だっこ」
「・・・・・・仕方がないな」
キラキラと信頼溢れる瞳で見つめられたらいくらスネイプでも手を伸ばすしかない。
腕に柔らかく温かい小さな生き物にそっと笑みを浮べた。
「カメラ持って来たよ〜vv」
いやあ、押入れの奥に入れててさあ。
そういうの声に馬鹿がと舌打ちする。
自分のペースが乱されていることに気がついた瞬間。
ちゅ〜vv
「・・・・・・・・・・・・なっ!」
パチリ
「婚約瞬間写真撮ったよー」
こんやく?
婚約ってなんだ?
わかったのは頬に触れた温かい感触。
「セブルシユすき」
柔らかな声が耳に触れた。
がその言葉に慌てて言った。
「がお嫁に行くのはまだだからねっ!僕が君を呼ぶまでは嫁に行かせないから」
ってことで今日はこの薬草を持って帰っちゃって。
そういって貴重な薬草と共に玄関から叩き出された。
スネイプが衝撃のあまり婚約の事実を忘れたのは貴重な薬草のせいが半分。
からの熱烈?な口付けが半分。
そして約七年後二人は出会う。
婚約の事実をスネイプが思い出すのは七年後から届いた手紙と証拠写真による効果であることはまだ誰も知らない。