彼女が彼と出会ったのはきっと運命
どんなに最悪な出会いであっても。
彼と彼女の運命
は日系イギリス人である。
単に父親がイギリス人であるだけなのだが。
だからは一応ハーフなのである。
いくら日本生まれ日本育ちであっても。
しかし名前は・。
父親は一人っ子で何でも由緒正しい名家であるらしい。
どんな珍しい菓子なんだろうと彼女が最近まで思っていたのは内緒である。
そんな彼女が道を歩いていた。
別に何をしようとか決めていた訳でなくただ自分が歩きたいなと思う道を歩いていた時である。
そのときは道端の朝顔に夏の訪れを感じていたのである。
ぎゅむ
「ぐえ」
なぜか足の下でカエルを踏んづけたような奇妙な音がした。
どうしたのだろうか。
もしかして私は幼児が履く音の出る靴なんて履いて今まで歩いていたのだろうかと考えていると
「どけ」
とどこからか声がした。辺りを見渡すが人影はない。
「あれ?幻聴かな」
「お前に我輩の上からどけと言っているのだ」
下をみると黒い物体。行き倒れの死体・・・。縁起でもないことを考えてしまいその位置から退く。
「全くひどい目にあった」
立ち上がったのはこの暑いのに真っ黒な格好の男だった。
「全くなんで我輩がこんな遠くまでこなくてはならないのか。実験がまだ途中であるというのに」
ぶつぶついう人物に
「人体実験ですか」
なんて聞く辺りいい度胸しているといえるだろう。
「・・・この近くに詳しいかね」
「一応生まれ育った町ですし」
「ではこの近くにという家はあるかね」
「ああ。知ってますよ」
「連れて行って欲しいのだが」
「いいですよ」
夏に入り日差しが厳しい中真っ黒な装束の男はかなり不審者だった。
「なんでこうじろじろみられるのだ」
「見とれてるか貴方が怪しいと思われているんですよ。私みたいな女の子連れてるし」
「・・・・・・・・」
「なんであんなトコで倒れていたんですか」
「・・・・・知らん」
「知らんって・・・・」
「それよりまだつかんのか」
「あ。そこの角曲がったらすぐです」
現れた豪邸にさっさとチャイムも押さず入る少女に慌てた男。
「不法侵入になるではないか」
「あれ。言ってませんかここは」
「。私に客が来る予定なんけど・・・・セブルス!よく来たね」
「・・・・?」
「はい。私は・です」
「そう私の娘だよ。可愛いだろ。で、こちらはセブルス・スネイプといって。お前の婚約者」
「・・・・・・・・はい?」
偶然踏みつけてしまった男性が自分の婚約者なんて・・・。あっていいんだろうか。こんなこと。
「あの・・・。父さん。私、婚約者がいるって事も知らないのですが」
「ああ。言ってないよ」
えっへんと胸を張っている父親に頭が痛くなったのだった。