「わかっていると思うが四階には足を踏み入れるな」
「はあ?」
いきなりな話題転換についていけない。
「えっと・・・・それは校長が言ってたやつですか?」
四階に足を踏み入れた者はとても痛い死に方をする・・・・だっけ。
血みどろ男爵に夢中で聞いてなかったからうろ覚え。
「そうだ。ここは安全であると同時に守らなければ危険が伴う場所だ」
確かに。
動く階段なんて無駄でしかないなと煩い階段に想いを馳せる。
「ついでにクィレルに注意しろ」
ぼそりと言われた言葉の意味は本当にわからなかった。
それはどう受け止めればいいのだろうか。
「それはクィレル先生がニンニク臭で公害である以外にロリコンで身の危険ってことですか!?」
貞操の危機とか。
「いや・・・・我輩が奴の性癖など知るわけなかろう」
納得。
でも、それなら何故?
答えは貰えずやっぱりロリコンなのだろうかとちょっと疑惑が芽生えたのだった。
というか目の前の男の人がホモなのかロリコンなのかそれとも独身主義なのかという疑惑の方が根付いていたけど。
木曜日は木曜日だった。
魔法界だったら火星曜日とかいうと思っていたのに!!!
サラダ記念日はないだろうけど。
「・・・そして僕はマグルの乗ったヘリコプターを紙一重でかわしたんだ」
「五十二回目」
「何?」
「なんでもない」
最後まで聞くのは初めてだが話をしているのは何度か聞いた。
ドラコの見事な箒捌きの話。
というか上手いならヘリコプターに近づくなって感じなんだけど。
ヘリよりジャンボジェットとかスペースシャトルかわしてほしい。
気球と飛行船は論外で。
今日の飛行訓練を楽しみにしている生徒は多い。
私としてはまあ楽しみだけど変身とか薬の調合の方が興味深い。
だって秘密のアッ○ちゃんとかネルネルの魔女婆とか。
・・・・・・テレビっ子ですから。
「クィディッチってドッチとバスケとサッカーを足して三で割った後野球のバッターを付け足したみたいなんでしょ?」
ボールが三つなんて目が三つないと見れないし。
三つ目のあのコはなんのアニメだっただろう。
絆創膏を目に貼るなんて凄いって感動したの覚えてる。
だって目だよ!!!
睫毛痛くないのかなあ?
マダム・フーチはキリッとした人でスポコン系だ。
体育の先生って皆このノりなのかな?
「右手を箒の上に突き出して」
突き出しました。
「そして『上がれ!』と言う」
あちこちで声が上がる。
・・・・・・上がるわけないじゃん。
「上がれ!」
周りは上がってないよねと見渡せば少数だけど。
「・・・・上がってるよ」
「!!凄いじゃない!!!」
「へ?」
言われて見れば右手に箒。
誰かが握らせたわけじゃないよね?
そっと握らせた箒。
そこには見知らぬおじさんの温もりが・・・・・キモい。
温もりは嫌だ。
善意か嫌がらせかわからないじゃないか。
とにかく箒には無事に乗れた。
ふらふらしていたので小声で
「薪にもならないなあ、この箒」
と言えばおとなしくなったし。
うーん。面白い。
そして地上から飛び上がったネビルがニュートンの林檎みたく重力に逆らえず地面とキスする羽目になった。
いや、あの落ち方は芸術的だ。
怪我が手首骨折なんて軽いものだし。
普通脳挫傷とか首骨折とかスプラッタだよ。
ネビルが保健室へ退場となってからマルフォイが思い出し玉とかいうネビルの落とした私物であの癒し系の男の子をからかってた。
たしか名前は『ハリー・ポッター』。
ってドラコもハリーの事好きって事?
ハリーって癒し系な上罪なほど男殺し!?
スネイプ先生とドラコとハリーの三角関係が頭の中で回ってた。
小説なら私はスネイプ先生の名目上の婚約者、とか説明書きがつきそうだ。
って四角関係になっちゃうよっ!!!
関係ないのにと思っていたらいつのまにか箒で鬼ごっこしてた二人が空中で止まった。
アドリブつけるなら
「僕を捕まえてみろ」
「待て〜ドラコ」
アハハハハハって所だろうか。
その時ぽーんとドラコが投げた。
何かと思ったらネビルの思い出し玉とかいうやつ。
ハリーが見事なダイビングキャッチ?してそこを目撃したマクゴガナル先生に連れて行かれた。
赤毛がフレッドとジョージに良く似た男の子とふわふわの髪のグレンジャーっていう女の子が心配そうに見ていた。
ドラコは連れて行かれるハリーの背中を見つめてた。
辛い恋をしてるのね。
ドラコの恋をそっと見守ろうの会が設立した瞬間だった。