ハリーが気がついたとグリフィンドールの生徒が騒いでた。
どうしても話したくて保健室へ向かう。
無事だったのを自分の瞳で確かめたかっただけかもしれない。
あいにくと擦れ違いで保健室に居たのはマダム・ポンプリーとダンブルドア校長先生だけ。
「・・・。君も大変じゃったな」
知ってるのか、スネイプ先生に全て聞いたのかはわからない。
ただ問う言葉が出る前にダンブルドアは言葉を紡いだ。
「わしとて全てはわかっていないだろうがな。全てをわかるという事はクリスマスの朝の楽しみが半減する事でもある」
パチンとウィンクされて苦笑を漏らす。
マダム・ポンプリーは生徒に呼ばれて忙しそうに保健室から出て行った。
「わしがわかっている事はハリーとはまた別の繋がりがヴォルデモードと君の間である事ぐらいか」
ふうと溜息をついて悲しそうに続けた。
「そして彼が求めるものは魔法界であり、ハリーであり、、君自身でもある」
ただワシには彼は全てを否定したい為に求めているとしか思えんのだが。
ダンブルドアはしばしの沈黙の後こう言った。
「そろそろ行かんと夕食に間に合わんぞ。ワシの大好物のレモンパイがなくなってしまうからの」
少年のような瞳で笑う彼を偉大な魔法使いだと思った。
そしてはその瞳の中に少しだけ後悔の色が見えたような気がした。
「スネイプ先生が頭を下げる人だもんなあ〜」
日本人らしい表現であまり・・・・というか全く想像できない光景が脳裏に浮かぶ。
指三つ折りで頭を下げるスネイプ先生・・・・・。
「我輩、ふつつか者でありますが」
嫁!!
白無垢のスネイプ先生はにやりと笑った(怖)
本人は清楚な笑みのつもりだったのかもしれない。
一年次最後の晩餐会。
明日死ぬからとかいう理由じゃなくって明日からは休みで今日はホグワーツで過ごす最後の夜って事で。
成績発表はグリフィンドールの優勝でスリザリン以外と私は大盛り上がりだった。
「チッ!スリザリンの優勝だったのに」
大広間を後にしながらぶつぶつ文句をまだ言ってるドラコに向き合う。
スリザリンの寮に帰って寝たら明日にはホグワーツ特急でロンドンだ。
「別にグリフィンドールが優勝でもいいじゃない」
無事に二年生になれるんだし!!と力説すれば当たり前の事だろうがと脱力された。
・・・・・私には重要事項なんだけどなー。
「そういえば、その・・・手紙が来ていたんだが」
その言葉と共に手渡された見慣れた封筒。
・・・・見慣れた!?
ぺらりとひっくり返してみてとんでもない文字が目に入る。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「!!!!!!」
いきなり叫んで駆け出したの背中を見つめながらあいつは何処に行くんだと最もなツッコミをドラコは呟いた。
この一年で彼のツッコミははるかに上達したようである。
ダダダダタ
バタン!!
「先生っ!!!・・・・・ギャア!!」
扉を開いた瞬間上半身裸・・・・というか着替え中のスネイプ先生が居た。
「なッ!」
慌てて腕を抱え込んで胸を隠す先生。
・・・・・乳首ですか、隠す所。
「すいません・・・出直してきマス」
入ってきた勢いはスネイプ先生の裸という衝撃で相殺されてた。
プシューと空気の抜けた風船みたいに気が抜けて閉めた扉を背にずりずりと座り込む。
・・・・・けっこう良い身体してたな。
モヤシだと思っていたけどと思ってしまった自分に恥ずかしくなる。
「うわっ」
もたれていた扉が開いていつもの先生がいつも以上の不機嫌さで顔をだした。
スリザリンは優勝逃すし、裸は見られるし。
・・・・・けど先生、服きっちり着てるほうがエロいですよとはは懸命にも言わなかった。
口は災いの元なので。
「で、我輩のあだ名がセブちんと書かれていたのに驚いたと?」
お前の父親だけだと言いたげな表情で言われてもとても困る。
そうでなかった時はもっと怖いし。
封書の裏には『セブちんと一緒に見てねvv ダディより』
・・・・・馬鹿だ!!!
紅茶を啜って口を開いた。
「で、何て書いていたんですか?」
ああ、と生返事の後こう言われた。
「明日から夏休みだが明日は漏れ鍋に泊まるように」
これを読めと渡された手紙。
説明するのも面倒だという態度に渋々開いた。嫌な予感は概して当たる。
『元気にしてる?セブルス。
僕は元気だよー。オリーブ油に当たって昨日はちょっと三途の川を渡りかけたけどね。
トイレに住もうか本気で悩んだよ。こっちのトイレは凄いよー(トイレの話が延々続く)
・・・・ところで僕の仕事が不定期なの知ってると思うけど今年は日本に帰れそうにないんだ。
だからの事よろしく。婚約者に娘を任せるなんて僕ってなんて心が広・・・・・・』
はあ・・・。
途中で読むのを止めて視線を上げた。
「・・・・・お世話になります」
「ああ」
そしてホグワーツから漏れ鍋に一泊後、夏中スネイプ先生宅に居候の身と決定したのだった。