本を先に買うかそれとも別行動して先生は多分本屋と薬草店、は服屋に行くかを考えた。

「まずは馬鹿に会いに行くかね」

嫌な事から先に済ませる気なのが丸わかりなスネイプ先生にくっついて人込みを歩いていった。

「こんな所で会うとは思わなかったが」

呟かれた言葉に人の足を踏まないように下をみていた視線を上げた。

キラキラ銀の髪。

どこの王子様ですか?

「カボチャパンツは無理か」

白タイツはいてたら引くけどさ。

あいにくと呟きはスネイプ先生と知り合いらしい男の人には聞こえなかったらしい。

、こちらはルシウス・マルフォイ。スリザリン寮の先輩でもありドラコ・マルフォイの父親だ」

紹介されてみれば確かにドラコと似ている。

銀糸の髪とか。

ドラコはプラチナブロンドだけど。

呼び方はルシウス殿下決定。

ドラコパパでもいいけど。

「で、これが。生徒です」

これ呼ばわりかよ!?ってツッコミは心の中でだったせいか誰にもわかってもらえなかった。

というと、あのの?」

「ええ、娘です」

あのねえ、という視線で見られて甚だ具合が悪い。

居心地悪いよ。

「息子からもよく聞いている。話以上に可愛らしいお嬢さんだ」

手を取られてキスされた。

うわーっ!銀の髪サラサラーだって!!

確信犯だよ、この人!!

「ついでに我輩の婚約者です」

ついでという割にはドスを聞かせた言葉には気付かずキスされた右手をどうしようかとおろおろしていた。

これって拭いたら失礼だよねとか。

「ほう。いい趣味だがまだ結婚したわけでもあるまい」

すっと近づかれて囁かれた。

「ミス・、私の息子もなかなかいいと思うが。結婚を踏まえて考えてもらえないか?」

じゃあ私はこの後用事があるので失礼するよと人込みに紛れていった。

「何を言われたんだ?」

不思議そうというより不審そうなスネイプ先生にあははははと笑って誤魔化すしかなかった。

冗談だろうし。
























「スネイプ先生じゃありませんか!?」

また声をかけられた。

スネイプ先生大人気?

振り向くと赤毛で人がよさそうなご婦人。

それと可愛い女の子の二人連れ。

「ミセス・ウィーズリー」

「いつも息子がお世話になってます」

にこにこと言われたら全くでとはスネイプ先生でも言えない。

「あー・・もう少し落ち着きがあれば良いんですがな」

言葉に困ってるし。

本当なら「貴女のご子息は教師を敬わずイタヅラばかりに励んで困るのですがね」

と言いたい所だろう。

「ええ、私もそう思うのですけど。今度は末っ子のジニーが入りますの」

ジニーと呼ばれた子はウィーズリー家特有の赤毛の可愛い子だった。

「ジニーっていうの?私は。スリザリンだけど貴女のお兄さん達とは知り合いよ?」

スネイプ先生と世間話しているウィーズリー夫人の会話を聞いているのもなんなので社交性を出してみた。

「知ってるわ。スリザリンにしてはまともな子って褒めてたもの」

「あはは。フレッドとジョージなら言いそう」

「ハリーとも仲がいいんでしょ?」

そう聞いたジニーの顔は真っ赤になっていた。

「ジニーはハリーが好きなのね。私は友達ってだけ。貴女のお兄さんとかハーマイオニー・グレンジャー程ではないわ」

頑張ってねといえばうんと笑うジニーに可愛いっと抱きしめた。

?」

「ジニー?私の妹にならない?」

本気で言った言葉だった。

の好きなのってフレッドかジョージなの?」

「はあ?」

「だってお姉さんになるには・・・」

ジニーの考えてる事に苦笑する。

「私はまだ恋愛とは無関係。ただジニーみたいな可愛い妹が欲しいだけOK?」

なんとか理解してくれたみたいなジニーになんでも相談してねと(無理矢理)約束した。

「全く、話が長い」

溜息ついて足早に進むスネイプ先生にくすりと笑う。

ウィーズリー夫人って偉大だと思いながら。

スネイプ先生に物価の高騰の愚痴を言える人なんてそうそういない。

「そういえばお前はウィーズリーの双子が好きなのか」

地獄耳なんだからポイントじゃなくて全部聞いてて欲しいよね。

「だから、恋愛とは無関係ですって。ジニーみたいな可愛い妹が欲しいだけって言ったの聞いてなかったんですか!?」

そういえば苦々しいというか参ったという表情で。

「その後はアーサー・ウィーズリーのマグル贔屓っぷりを聞かされてた」

「惚気じゃないだけよかったですね」

そう言って笑った。

スネイプ先生に惚気を言える人物なんて思いつきもしなかったから。

「全くだ」

溜息ついてる先生と共にフローリシュ・アンド・ブロッツ書店へと足を運んだのだった。