つい先日、婚約者と判明した男(スネイプという)と魔法界の店にやってきた!!!
この先彼女に待ち受けているものは――――――
「何をしている」
―――――婚約者だという人の冷たい視線でした。
ついつい脳内劇場の煽りが出ちゃってたみたいで。
とてもとても冷たい眼差しでたった一人の同行者はこっちを見ている。
・・・・・凍死しそうデス。
人込みの多さに流されそうになりながら歩いていく。
ていうかさぁ。
あっち通ろうよ、右側!?
行く方向に人流れているんだし。
わざわざ人の流れ掻き分けて進むのって何かの修行?
彼の無意味(としか思えない)な行動に心の中でツッコミをいれる。
お前は忍玉乱太郎か!!!
土井先生好きの友人が懐かしかった。
・・・・・・漫画まだ借りてたのよね(汗)
「ここだ」
婚約者殿が足を止めたのは古い店の前。
てか名前読めないんですけど。
何屋?
静寂に八百屋ではないだろうと推測した。
大根買ってるこの人ってどんなだろう・・・。
怪しい男「大根を・・・」
八百屋「毎度っ!!いっつも買ってくれるからスネちゃんにはおいちゃんが一本おまけしちゃうぞ★」
怪しい男「・・・・ではそこの薬草を」
・・・・・・ありえない。
おじさんは語尾に★などつけないものだしねぇと開けられた扉の中に入っていった。
入るとおじさんが熱心に何かを磨いてた。
ふっと顔を上げるとこちらに笑いかけてきた。
「スネイプ先生ではないですか!そちらは?」
彼は生徒の付き添いだと簡単に誤魔化して答えていた。
「そういえば先程ハリー・ポッターが来ましてな」
「ほう」
ヒィィィィィィィ
じじ・・・ゲホゲホおじさんと真っ黒ローブのスネイプせんせのニヤリ笑いは何か思惑ありそうで
ついつい怯えてしまいましたよ。
「ではお嬢さんこれを振ってみてください」
差し出されたのは木の棒。
なんだ。よく磨いていたから殺人犯した後の凶器かと思ったよ。
挿した後の包丁の柄とかで証拠隠滅とか。
麺棒にもなりそうにない細さの棒を受け取ると上下に軽く振ってみた。
「・・・・何も起こりませんね」
「ではこれを」
「はあ」
ノーリアクションかよと思いつつ、こんな繰り返しを20回くらい繰り返した後、私はあの日を思い出していた。
買い物に行った店。
明らかにないサイズ。
無理に履かせる靴屋の店員。
友人の姉ちゃんキレてたなあと23本目の杖を振った。
ボンッ
モクモクモク
ゲホゲホゲホ
ちくしょうとおじさんがキレてました。
私の立場は・・・・・・・。
結局杖は特注で取り寄せてもらう羽目になりました。