そんなこんなで二時間もボロイ棒を選ぶのに時間がかかった。
はあ
わざと聞こえるように溜息つく大人気ない人が同行者なんて。
私の方がつきたいくらいだよ。
「初めからこれでは先が思いやられる」
だからこっちの台詞だって!!!
「しかしオリバンダーの店にもないとは・・・」
驚きの篭った響きにそんなに有名だったのかと首を傾げる。
今まで全く知らなかったんですけど。
「看板に創業紀元前328年と書いてあるだろう」
ていうか読めません。
「オリ・・ボンダァ?」
しか。しかも微妙に間違った気がする。
でもそんなに老舗だったんですか。
そこまで流行ってなさそうだったけど。
魔法界の老舗かあ。
不況はどうやって乗り越えたんだろ。
ああ、ホグワーツの生徒が毎年来るのね?
賄賂とかかな。
文部省(あるのか!?)とかに
「お代官様、黄金色のお菓子でございます」
「そちも悪よのう」
・・・・・・・似合いすぎる。
ダイアゴン横丁で残りの入学の買い物を済ませた。
鍋とか教科書とか。
一番楽しかったのはグリンゴッツの地下コースター。
金庫に行くまで何てスリリング!!!
日本の銀行にもこんなのあればいいのに。
あまりにが喜ぶので
「サービスしていつもより長く走っております」
という案内役に
「そんなサービスはいらんっ!」
と怒鳴ったスネイプがいた。
マダム・マルキンの店で浮かんだ素朴な疑問をは尋ねた。
「先生ー。魔女っコって変身しないんですか?」
ローブが真っ黒って地味じゃない?
魔女っコにあるまじきことだとも思ったのだ。
全員セクシー系狙いかとも思った。
いるでしょ。主人公のライバル的お色気キャラ。
「魔女っコとはなんだ」
相互理解までには時間がかかりそうです。
「その薬草といつものを貰おう」
スネイプは常連客らしくいった。
は珍しいものだらけの店の中興味深々で視線を巡らせていた。
そして見覚えのあるものが視界に入った。
「こっこれは!!!」
ぱん、とは手を叩いた。
クネクネクネ
「やっぱり〜。昔流行ったやつだ・・・」
たしかダンシングフラワーとかいう玩具。
植えられている鉢を持ち上げてスイッチを探す。
・・・・・・ない。
「」
「なんですか?」
パクリ
・・・・・・指に噛み付かれてしまった。
「それは食人植物だ」
「もっと早くに言ってください――――――ッ」
指を慌てて引き抜いた。
指なかったらそっちの人とか思われるじゃあないですかッ!!
893さんとか。
「まあまだ苗であるから大丈夫であろうがな」
にやりとしかいいようのない笑いを浮かべた男はむかっ腹を立てたを放置して店員に近くの花を注文する。
ありがとうございますという店員からスネイプが受け取ったのは小さな花束。
「我輩からの祝いだ」
入学だからなと差し出された花束にパチクリしながらもおずおず受け取る。
なんだかスネイプという男と花が微妙に似合わなくて思いがけない嬉しさと混じってつい笑ってしまった。