世の中には面白い人もいるもんだ。

は自分を省みずそう思った。

クィレルという人は宗教上の理由でニンニクをかけているわけではない。

昔の映画に出てきそうな大きさのニンニクネックレスは臭いもすごい。

「なんと、特別価格一万ガリオン!」

「し・か・も!今ならもれなくもう一つ!!もう一つついて来るんです!!!」

「ええ〜〜〜〜〜っ(止めろの悲鳴)」

元気元気とニンニクマン姿をしたおっさんが頭をよぎる。

気分悪。














買い物を済ませてスネイプの家に帰ると服から漂うニンニク臭。

新しく買ったローブについてないよねとくんかくんか嗅いでたら

コツコツ

フクロウが窓を叩いて

ドサリ

そのまま落ちた。

死にそうな程ニンニク臭かったの!?

年頃の乙女としてかなりの衝撃が走った。










ガツガツガツ

すごい勢いで餌を食べるフクロウ。

・・・・・なんでこんなに飢えてんですか。

その疑問が聞こえたわけではないだろうけどスネイプ先生が答えてくれた。

「日本と英国を往復したのであろう」

手紙を見ると英語の印と漢字の印。

すごいとフクロウに感動の視線を向ける。

ハトレースに出したい位だ。

フクロウだから無理だけど。

グッ

人間ならそういう感じでフクロウは目を白黒させて倒れた。

「疲れたから寝ちゃったのかな?」

ぴくぴくしてるフクロウに

「水だッ」

慌てて水を与える先生。

・・・・・どうも餌を詰まらせたみたいだ。

近所の正月に餅詰まらせたおじいさんみたいで笑ってしまった。











フクロウが一息ついてから手紙を見ると私宛。

エメラルド色!?

誰からだろうと裏みたら

「ホグワーツからだ」

自分で確認する前に言ってくれましたよ。

ぺりと封を開けて取り出した。

『入学許可』

「これだけですか」

普通なら英語で書かれているだろう手紙には一言下手な漢字でそう書かれてた。

毛筆なのは場違いだろとか

下手すぎて達筆に見えないことも・・・とか考える前に

「先生、私英語読めないんですけど」

入学する意味あるのだろうか。

ものすごく不安になった夜。





























キングス・クロス駅は人込みでごった返していた。

人・人・人。

その中に幾人か魔法界の人らしき人もいた。

これだけ怪しい人が溢れていると隣の人物も少しは・・・・・・怪しく見えるな。

キング・オブ・とつけてもいいと思える位で。

「ではここから一人でいけるな」

むすりとした表情に素直に返事する。

「大丈夫です。・・・・多分」

なんでも先生は別行程で行くらしくファーストクラスかなと怪しんでいた。

だって修学旅行の教師陣の部屋はワンどころかツークラス上じゃん!!!

酒盛りしていた先生から口止めに刺身貰った経験者の意見だが。

「先生に貰った目薬のお蔭で英語もばっちりですし」

そう、あの入学許可の手紙を貰った後目薬を貰ったのだ。

「しかしお前の父親は爪が甘すぎる」

「私も同意見ですよ」

そうが英語を今こうして話せるのは単に英語で苦労したという父親のお蔭だ。

なんでもNASAで開発されたとかいう胡散臭い通販のテープを昼寝中の私(当時三歳)に聞かせ続けたのだという。

本当かよって話だけど本当らしいからマインドコントロールも真っ青だ。

「やっぱりさ、レンアイに言葉の壁は大きいからさ〜。には苦労して欲しくなかったんだ」

ココだけ聞けばいい話。

けれど勝手に娘、婚約させた時点で苦労するのわかるだろーが!!!

ついでにの父親は十三カ国の愛してると免税店は何処デスカがいえるらしい。

・・・・・・使わない癖に。

その前に年齢にあった喋り方を覚えて欲しい。

我輩は勘弁だが。

そんなこと思っていた時に差し出されたのは目薬。

・・・・・って何故かゴボゴボ泡だっていたけど。

勿論逃げようとしたらガシと腕を掴まれた。

「ギャー!セクハラ〜!!イヤダーコロサレルー」

ぎゅっと瞑った瞼を器用に押し開けられて・・・・・ぽちょん。

「煩い」

あれ?

スネイプ先生ってカッコいい?

そんな疑問は浮かんで消えた。

目の前に出された英字新聞が読めるという現実によって。