ふんふんふん♪

上機嫌で某アニメの主題歌の鼻歌なんか歌ってた。

ココから突っ込めば9と3/4なんとかなのねと柱に向かい合った。

「一番、行きまーす」

カートを押して助走して。

このまますり抜けるはず・・・・・・

ドゴンッ・・・どさどさどさ

・・・・・・・・あれ?

カートの端っこが少し凹んで手がブルブル衝撃で震える。

「何で!!!」

あーもう!!

何?

試練とか!?

三つの石を取って来いとかないわよね!!!

この世界には女王も守護聖だっていないんだから!!!

「「君、もしかして新入生?」」

綺麗に重なった声に振り向くとそっくりの一揃いがいた。

「ヤンボーとマーボー・・・」

「僕はフレッド」

「僕はジョージ」

「駄目じゃない、天気予報って言ってくれなきゃ」

まあ日本人でなきゃわからない話だけど。

「君。ホグワーツ行きに乗るんだろ?」

「うん。でも入れなかったんだけど」

カートの角の曲がった所を見せる。

「「ブッ・・・・あははははは」」

二人して綺麗に揃って笑われたら結構頭に来るんだと初めて知った。

「あのねぇ・・・そこは違うよ」

「違う?」

「そう。あっちが入り口」

挿された指の先の柱に男の子がカートを押して入っていった。

「・・・・・・」

ぱんぱんと落ちた荷物を叩いてカートに乗せた。

「ありがとう。教えて貰って助かったわ」

ここまで来ていて乗れなかったらスネイプ先生になんて言われることやら。

『我輩の好意を全て無の泡のわの字すら消してしまったのかね』

辺りだろうか。

「「君、名前は?」」

。新入生なの」

「「僕達は二年生さ」」

「じゃあよろしくね、先輩vv」

日本人特有の誤魔化しの笑みを浮かべてそそくさと入り口に向かった。

「旅の恥は掻き捨てよッ」

そんな後姿を見ながら

「「可愛くないか?」」

恋に落ちたかもしれない双子の姿があった。





























「全く、ついてないわ」

とんだ所を目撃した(された)マンボーだかヤーボウだかいう二人(違)を残して無事にホグワーツ行きに乗った。

空いてる席があったから脚も疲れていたし座る事にした。

「ここ、空いてるか?」

「ええ・・・・・・」

其処にいたのは金髪のスネオとジャイアン二人。

もしかしたら一人はジャイ子かもしれない。

じゃあ私はのび太か。

助けてードラえもんー!!

ってしずかちゃんがいいよね。

私的には峰不二子希望。

シャワー浴びるならだけど。

やっぱナイスバディは魅力的だし。

目の前に座ったのは金髪スネオだけであとの二人はどこかへ行ったみたいだった。

「僕はドラコ・マルフォイだ」

「私はよ」

一応自己紹介。

ドラコってどんな漢字かな?

銅鑼子とか虎子とかドラ子だったらいいのに。

スネオよりはドラえもんに名前が近い。

二文字だけ。

「寮は決めたか?」

「寮?」

寮なんて聞いてないし。

男子寮で女の子一人って言うのも設定に無理があるよね。

友人が嵌ってた漫画に思いを馳せていたら金髪ドラちゃまは語ってくれた。

「僕はスリザリンに決まっているがな。今まで僕の家でスリザリンでない者などいないのだから」

「他に何があるの?」

「他の三つはロクデナシが行くところだと聞いた」

「私はロクデナシだからスリザリンは行けないかもね」

ロクデナシさには自信がある。

「ポッターがいるだと!?」

なんだか帰ってきたジャイアンズの片割れに耳打ちされて何処かへ行ってしまった。

「なんか気分が重いなあ」

汽車に酔ったかもとポケットに突っ込んでいたマイエチケット袋を握り締め睡魔に意識を預けた。

寮なんかどうでもいい。

私らしく生きれたら。

そう結論ついたのはこれからもっと後のこと。