(だから私に話しかけてくれるなって!)
大広間では相手の男に我慢していた。
「ねえ、今日はどうしたの?」
レイブンクローの男子生徒に話しかけられ内心舌打ち。
表情は常に笑顔のままだと思うけど。
「今日?別に何もないけど」
用がないならどっか行ってよ!!
と思いながら返事した。
顔はタイプじゃないし話すことは自分の自慢話だけ。
その上気も利かない男の話なんて好きでもないのに聞いあげる程優しくないわよ!
そう言いたいのにいえないのはNOと言えない日本人の性かもしくはそのDNAのせい。
何でこんなにやる気なく答えてるのに立ち去ってくれないんだろ?
「レイブンクローは今日は占い学ではなかったのかね。こんなところで喋ってる暇があるとは」
出た!!
幽霊よりも今は怖いスネイプ先生がレイブンクロー生をいたぶってます。
「我輩の授業の予習はしっかりやっていたまえ。ミスター・ピート」
ギロリと睨まれてそそくさ立ち去る姿に内心手を合わす。
ザマーミロと思う反面可哀想で仕方ない。
「ミス・も授業が終わったら我輩の部屋まで来るように」
「はい」
大広間から逃げるように次の授業の教室へと向かっていった。
「で、今朝の男はなんなのかね」
地下室でずばりと切り出されたのは核心部分。
もうすこし言葉のキャッチボールしましょうよ。
ハリーには演説するのにさあ。
「いや、最近よく話しかけられるんですよ」
助かりましたというにスネイプは苦々しい表情のまま。
「嫌なら嫌といえばよかろう。はっきり言わないお前が悪い」
スネイプが嫉妬している事に気がついていないのかは困ったように答えた。
「それでもですねー。友人が減るのは勘弁して欲しいです」
きつく言ったら皆引きますよ、ドン引きですってと言うに一言。
「我輩だけでは不満というのかね」
ニヤリと笑った表情は確信犯のモノ。
あーとかうーとか唸った後。
「わかりました」
と溜息をつきつつ答えたに気難しい恋人は良く出来たと頭を撫でたのだった。
翌日。
懲りずに話しかけてきた男に
「グダグタ用事もないのにくだらない話してくるんじゃないってーの!この(放送禁止)男!!」
一括して幕引きとなったのである。
しかしこの度胸のよさにウィーズリー家の双子が気に入りスネイプが切れるのはもう少し後のことである。