「そろそろ構わないだろう」

「だからまだダメだって言ってんでしょ!」

ホグワーツの住民達はまた始まったとばかりに足早にその場を立ち去った。

右手は相手の左手に、左手は相手の右手に。

プロレスで組み合っているわけでは決してなく。

意見の相違が原因。

「そろそろ我輩の子を孕んで一人や二人産んでも構わんだろう!」

とスネイプ。

彼は結婚して妻がいる。

ホグワーツ卒業生で元教え子。

現在は薬草学教授のスネイプと組み合っている女性がそうだ。

「我輩、四十前にはお前とのこどもを抱きたいのだ」

必死である。

「だから勝手に家族計画立てないでってば!私はまだ嫌だからね」

ぐぐぐと押され気味な態勢を押し返す。

今押し倒されたら孕まされる!

最近どうも基礎体温を調べるなと思っていたらスネイプは排卵日を計算していたらしい。

意外と結構マメな奴と彼女は他人事なら思ったろう。

「今は大事な研究があるのっ!そんなに産みたきゃセブルスが産んでみなさいよっ!」

そんな気持ち悪いこと・・・と運悪く通りすがった生徒等は身重スネイプを想像しよろよろとその場を離れていった。

「無茶を言うな!お前は我輩を愛してないのか!?」

スネイプの心からの叫びはホグワーツに響き渡った。

「じゃあセブルスは私の夢が叶わなくても構わないんだ。貴方こそ私を愛してないじゃない!」

ミセス・スネイプ・・・・(というか彼女は旧姓のままなのだが)は叫び返した。

「研究は子供がいても続けられるだろう」

「研究が先よ!・・・っていうかそんなに欲しいなら他の人に産んで貰えば!」

別れてやる!

涙ぐんだ妻に形勢逆転。

「ばっ・・な・・なっ」

ばななと言ったのもショックで気付かないスネイプ。

「何を馬鹿な事を・・・。我輩の欲しいのはお前との子なのだ」

「じゃあ我慢してよ」

あっさり。

あっさりすぎるほどにスネイプの望みは断ち切られた。

「・・・誰が諦めるか!」

「ギャァー」

窮鼠猫を噛む。

スネイプは抵抗する妻を抱き上げて自室へと駆け込んだのだった。











「子供欲しくないのか?」

「だって・・・子供できたらセブルスったら子供ばっかり可愛がりそうだし」

何よりヤらせろと迫ってくるのが嫌。

ミセス・スネイプの友人のビルは惚気というか嫉妬交じりな理由に相談に乗った俺が馬鹿だったと痛む頭を押さえたのだった。