ドリーム小説
「僕は竈馬ともそもそした菓子とカマを差別はしないがカマは嫌いだッ」
「そう・・・・」
出た溜息は何色なんだろう
不毛な物思い
幼馴染の榎木津礼二郎は小さいころから竈馬ともそもそした菓子(クッキーとか最中とか)
が大嫌いで その他にも結構嫌いなものがあるという。
なんて我儘。 まるで幼子のような彼。
なんでこんな人を・・・・・・・。
溜息がもれる。
「どうしたッ!が溜息をつくなんてッ」
そうか つまらないのだな おいカマオロカッ 芸をしろッ
私の自省の溜息をそんな風に彼に解釈されてしまって。
益田君(礼二郎にはカマオロカとか益山とか益カマとかよばれている)は
何故か嬉しそうに
「えぇ―。僕がするんですかぁ」
なんて言ってる。
彼はマゾなのかしら。
ああ マゾなのかもしれない。
私は幼馴染の変人ぶりを十二分に知っているので
そんな彼の下で働こうと考える益田君や下僕志願の刑事さんや
長年親交のあるいじめられるだけの関口さんは本当に不思議で不可解だと思う。
そんなことを考えていると私はとっても面白くない事を思い当たった。
礼二郎は顔は良い。
家柄もよくもと華族のくせに家も金持ちだ。
だから知らない女性が彼に恋をしても仕方ない事だと思う。
けれど――――― である。
私は彼 榎木津礼二郎を十二分に知っているのだ。
この完璧で付き合って損はしないだろうと考えられる人物が実は全くの逆で
その破天荒過ぎる性格のために全てがおじゃんになっているのを知っているにも関わらず――― だ。
好きなのである。
私は・・・・・・彼を。
私はマゾか!?
自分がはじき出した最低な答えに再び溜息をつく。
今日は最悪の日だ。
いらいらしてきてさっきから益田君の芸をみて
うひゃあ とか うははははッ とか奇声を上げている礼二郎にいった。
「礼二郎。私のこと好き?」
「あたり前だッ」
その言葉に私は違う溜息をついたのだった。
この溜息は何色だったのだろう
あとがき
友人にサドだと言われます