ドリーム小説
「礼二郎――っ」
薔薇十字探偵社の本拠地の扉は頑丈そうだ。
鳥口は後で敦子に語ったという。
一方的な真実
大きな音を立てて探偵榎木津礼二郎を呼んだのは家の娘で幼馴染のだった。
日頃の温厚さは何処に行ったのかと思う怒りようである。
「さんどうしたんですか」
びっくりしている鳥口・和寅をよそに益田はケケケと笑った。
「どうしたも何も礼二郎は!?」
また奥で眠っているのっと聞くに
「先生は今出かけてます。もう帰ってくると思いますが・・」
と言ったのは和寅である。
「さん。どうしたんスか?」
ようやく最初の驚きから抜けた鳥口が聞くと
これよこれっ
手に持っていた雑誌を机に広げたのだった。
「うへえ」
鳥口が最初に反応したのは中の記事が見えたからである。
「これが・・・」
「そう。そのページを読めばわかるわ」
開かれたページでは榎木津がインタビューされていた。
Q. 榎木津礼二郎様はご結婚は考えていらっしゃらないのですか。お相手は沢山おられると思いますが
A.相手はだけだッ
Q.その嬢とは恋人関係にあるのですか?ご婚約者で?
A.いいや。僕の片思いだがなッ。僕はと結婚するのだッ
Q.最後になりましたが嬢とのお子様は男の子女の子どちらがよろしいですか?
A.どちらでもいいに決まっているッ。絶対可愛いからなッ
――などと書いていた。
「礼二郎の馬鹿っ」
そう叫んだ時
「うはははははッ」
さっきの何倍もの音がして鳥口は扉の頑丈さに関心したのである。
「礼二郎・・・・この馬鹿っ」
「ッ。それは違うぞ。馬鹿はこのゴキブリ男や益カマのような下僕であって僕は馬鹿ではなくて神だッ」
そしての顔、いや頭の方を見ていた。
―――否、視ていたのだろう。
「うははははは。泡を吹いているの父親はカニだッ」
爆笑されても何も視えない三人には訳がわからない。わかるのはだけで
「そうよ!この記事読んで泡吹いて家の父は倒れた後
『早くいい返事をせんか。礼二郎君の気が変わったらどうする!』なんて言ったのよ」
なんとなく事情を飲み込めた三人はに深く同情した。
断ったとしても榎木津の気が変わりはしないだろう事は想像できたので。
「そうかッ じゃあ結婚だッ」
すぐにだッ そう言ってを担ぎ上げた榎木津は
「降ろして―」と叫ぶを大きく再び開け放した扉から連れ去ったのである。
残された三人が後になって京極堂こと中禅寺に
「何故止めなかったんだ。僕の所に来たんだぞ」
と恐ろしい形相でお叱りを受けたのである。
あとがき
私は榎木津さんにインタビューできた記者に感心。