助けて神様・・・って私は魔族だからこんな目にあうんでしょうか。
天罰?
天罰なのっ???
ズドーンと落ち込んでいたのだけどどうやら運命は私をそっとしておいてくれないようです。
眞魔国からスタツアで無事に帰って来れたのはいいけれどオマケがついてました。
オマケってもっと小さくないか?
こんなオマケはイマドキのグ○コのオマケが出血大サービスしても有り得ないでしょ!!
じゃあ私はラムネかとまたしても現実逃避をしかけたの耳に届いた言葉。
「・・・何故男物の服があるのだ?」
不機嫌極まりないという様子が滲み出ている言葉にむっとする。
「何か文句でも?大体それはお父さんのだし、濡れたままが良かったら今すぐ脱げばいいじゃないのっ!」
「・・・父親のものか」
何処かほっとした様子に引っかかる。
もしかして・・・・・。
「えー・・・っと、もしかして私の恋人とかの服かと思って嫉妬した・・・とか?」
「ば・・・っ・・・馬鹿なことを!痛っ」
「いや、その動揺は・・・・」
耳まで赤くしたグウェンダルは慌てたのかテーブルの足にぶつけてしまってた。
ものすごーく年上とは思えない可愛らしさだ。
まじまじと見つめれば不機嫌そうに見返された。
多分これは照れ隠しか拗ねていると思われる。
「グウェンダル・・・って可愛いね」
ぼんっ
という表現がぴったりな位真っ赤だ。
怖がったりしてた自分が馬鹿馬鹿しくなる。
「ばっ馬鹿にしているのか!」
「いや、別にそういうわけじゃないよ」
首を傾げて見上げればぐっと躊躇っている。
どうしてだろう。
本人は気付いてなかったがグウェンから見ればとてつもなく可愛らしい上目遣いだったのだった。
「とにかくお前は私の婚約者だ」
「成り行きで」
本当のことを言ったら睨まれた。
でももう怖くない。
あんな真っ赤になっていた所を見たらなんでも来いって感じだ。
「ふざけてないでさっさと将来を誓ったとかいうその男に引導を渡しにいくぞ」
案内しろと言われて悩む。
・・・・が、まあいいかと肩を竦めた。
どうせ洗濯が終わったら別れに行く予定だったしと思い出したのだ。
眞魔国にいた時はグウェンダルという男のことを勘違いしていたが聞けば眞魔国も一夫一婦制らしい。
もしグウェンダルの言うことが本当ならば十年近くグウェンダルは自分との約束を覚えていてくれたらしいし。
友人に手を出すような男よりは余程いい。
それにこうして見れば好きになれないこともない・・・気がする。
いや、そう思う段階でかなり自分は目の前の男が好きなのかもしれない。
こんなに不機嫌そうで顔が良くて声が渋くて大きな手が優しい男の人は多分貴重だ。
「結婚はともかく婚約位ならいいかもね」
「さっさと行くぞ!」
玄関で待つグウェンダルに聞こえないように小さく小さく呟いた。