白い雪が降り積もっていく
消えないうちに貴方の元へと走っていこう
「スネイプ先生!」
飛び込んだ。
ノックもなしで。
こんなことが出来るのは自分だけだろうと思うと頬が緩む。
「入るなら静かに入れ」
減点もしない恋人の姿に笑う。
贅沢を言うならよく来た、くらいは言って欲しいものだけど。
「ねえ、先生?一緒に大広間で御飯食べましょう!?」
恋人になって初めてのクリスマスだ。
このくらいの我儘を言わせて貰ってもバチはあたらないだろう。
「駄目だ」
「ええー」
あっさり断られました。
「用はそれだけかね」
「いいえ、先生とお茶しに来ました」
めげずに言えば溜息吐いてお茶の用意をしてくれる。
ちゃんとお砂糖もミルクも用意してくれてるところに愛を感じるのだけど。
やっぱり言葉で言ってもらいたいと望むのは悪いこと・・・・なんだろうか?
「スネイプ先生ー大好き」
「何をいきなり」
愛の言葉を囁いても冷たく返される言葉。
今のはちょっときつかったかも。
「先生が言ってくれないから私が言ったんですよ。大好きです」
笑う。
笑わないと泣きそうだ。
どうしてこんなにこの目の前の人が好きなのかわからない。
泣き顔なんて可愛くないから。
だからいつだって貴方に可愛いと思われる笑顔の私でいたい。
「大広間は騒がしすぎる。お前が嫌でなければ此処で食事をすればいい」
ぽつりと言われた言葉が嬉しい。
「本当にいいの!?二人だけですよね?他のスリザリン生呼ばないでくれるの?」
信じられなくて質問する。
近づいて聞いていたらぐいとウエストを掴まれて引き寄せられた。
「・・・んっ・・・んんぅ・・」
重なる口唇。
存外熱い口唇が離れる時にぺろりと舌で舐められた。
「そんな可愛らしいことを言っていると食べてしまうぞ」
にやりと笑われて真っ赤になる。
こんな大人の男の人に、大好きなスネイプ先生に甘い言葉を言われたら降参するしかないかもしれない。
「先生、大好き」
恥ずかしくて、でも嬉しくてその背中に腕を回した。
その夜のことはまた別のお話。