学校の休みの日にはレポートを抱えて地下室へ行くの。

先生は入っていった私をちらりと視界に入れた後再びレポートの採点とか研究の続きとかを再開する。

いてもいいといってくれるより雄弁な先生からのパスポート。

ソファーの前の机にレポートを広げて邪魔にならないように勉強する。

わからない所は纏めて先生の部屋にある本で調べたり聞いたりするから効率がとてもいい。

それ以上に先生といる時間が少しでも長くなる事がとても嬉しい。

先生と生徒の関係だから他の人には内緒。

会えるのは授業中と不自然でない程度に残された放課後と休日だけ。

レポートする暇も一緒にいたくて言った我儘は思ったよりもずっと簡単に了解を得られた。






「終わった〜！！」

くるりと羊皮紙を丸めるとリボンで結ぶ。

ソファーに背を沈めるとスネイプ先生と目が合う。

煩くしすぎたかなと視線を落とす。

子供っぽいと思われたんじゃないかって。

いつも傍にいたいというのは私だけの我儘だから。

「、我輩ももうすぐ終わる。紅茶を淹れてくれないかね」

その言葉と二人きりの時にしか見れない笑顔を添えられてはいと返事をして立ち上がる。

紅茶を淹れるために。

そっと先生を見れば再び羊皮紙相手。

頬に落ちる長い睫毛の影

耳にかけられた艶やかな黒髪

コツコツと神経質に机を叩く綺麗な指先

全てが一枚の美しい絵のようでほう、と息を吐いた。

それから紅茶を淹れる間もスネイプ先生を時々盗み見ているのは私だけの秘密。

「先生？紅茶はいりましたよ」

紅茶の香りが立ち上る休日の午後。

今日も特別な時間はゆっくりと過ぎていく。