ふわふわと水に漂う
温かな羊水の中そっと宝物みたいに撫でられたのを覚えてる
「元気に生まれるように」
そう呟いてくれたヒト
どこかにいる神様にそう願ってくれたヒト
この世界に生まれる前から恋したのかもしれない
「、パパを起こして来て」
キッチンからいい匂いと優しいママの声。
「はぁい」
待ってましたとばかりに階段を上る。
奥の突き当たりの部屋。
そこにいる彼。
カチャリとノブを廻してベッドへと走りよる。
「パパ?朝だよ〜、ママが御飯作ってるよ」
ベッドカバーから覘くパパの黒髪。
「パパが起きないならあたしも一緒に寝ちゃうよ?」
ね〜え〜起きて!!
本当はこんな時間も好きだ。
パパは学校の先生で一年の内殆どを学校で過ごすからこんな風にベッドで寝てるパパは珍しい。
「もうセブルスったら!!困ったパパねえ」
後ろにいつの間にかママが来ていた。
でも困ったって言ったってママの表情は嬉しそう。
「、来なさい」
起きたばかりのせいか掠れた声が聞こえた。
見るとベッドカバーを少し上げてパパがポンポンとベッドを叩いた。
「まで!!」
ママの声がベッドカバー越しに聞こえる。
パパの手で頭を撫でられてとても幸せ。
ママのお腹の中で撫でてくれた優しさと一インチすら変わってない。
「ミセス・スネイプも来なさい」
ミス・と昔はよく呼んだものだなと呟きが耳を掠めた。
それとも我輩と寝る事より有意義なことがあるとは思えないが?
意地悪そうな声にママが文句言っている声が聞こえた。
結局は隣に来るんだけど。
パパはママにベタぼれでママはパパにぞっこん。
あたしはそんな二人に愛されてる子供。
「パパ?大きくなったらをお嫁さんにしてねvv」
「駄目よ、ママがパパのお嫁さんなんだから」
ククとパパが笑う。
とっても嬉しそうに。
「もう一眠りしたらどこかへ行こうかマイレディ達」
右手にママ、左手にあたしを抱きしめて。
「ママ、どこ行こうか?」
「そうねえ。パパにスーツ着せたいからレストランなんてどう?」
パパをこよなく愛するママとあたしはパパを挟んでそんな話をする。
そしてゆっくり眠りに落ちる。
ホグワーツのセブルス・スネイプ教授が妻と娘を溺愛する男であるという事は
が入学するまで校長達しか知らないトップシークレットである。
------------------------------------------------------------
あとがき
パパスネ第一弾。
無茶苦茶短編ですが甘さを欠片でも味わっていただけたら。