私と彼の日曜日2
コソコソと入った喫茶店。
ここまでくれば見つからないだろう。
そう思い注文する。
「「紅茶を」」
目の前に座った男を見て顔面の表情筋がピキと音を立てて固まった。
「何のようですか?」
トゲトゲの声で聞けば一言。
「どうにかしろ」
「どーにかしろー?それが人に物を頼む時の態度か貴様は。お仕置きにえい!!」
懐から取り出したブツを男に向かって投げた。
ピタン
間抜けな音を立てて矢(血付き)の先の吸盤がスネイプの額に張り付いた。
スネイプがいうどーにかの先には親友・・・・というか悪友の存在があるのは百も承知。
彼女のスネイプ好きはどうにかできるものなら自分とてしたいものである。
が、人間には出来る事と出来ない事が世の中にある事もまた知っているのだ。
そしてその『どーにか』は出来ない事の部類に120%の割合で入ってる。
スネイプはハンカチで矢を取り去った後、額を拭きながらニヤリ、と笑った。
「君は―――――グリフィンドールが心配ではないのかね」
脳内変換でその言葉は「我輩は教師なのだよ」と翻訳される。
ピクリと肩が揺れる。
耐えられない。
「まあ『先生ご自身の貞操』に比べればさほど・・・・」
心配ではない――――――
というのが本音だ。
この私に嫌味で勝とうなんて100億光年早いわ!とクスリと笑う。
「なにせ私には『親友vv』がいるみたいですから」
寿退社させられかねないですよ、彼女にと笑いながら見ればぐさりと言葉の矢が刺さった様子。
矢スネイプ。
・・・・・全くもって可愛くない。
「これだからグリフィンドールの連中は・・・・」
怒りを露わにしつつその顔色がいつもより悪いのはきっと彼女との未来を想像できてしまったからに違いない。
「あらー?其処にいるのはい・と・し・のスネイプ先生vvと・・・・・ソーマ?」
どうして一緒にいるのかしらあ?
うふふふふ
にっこり笑っている親友、に平然と言葉を吐いた。
「スネイプ先生がどうしたらアンタをものにできるかって相談してたのvv」
「なっ・・・」
こういう時は先手必勝。
逃げるなら囮を蹴落として逃げるべし!!!
私、スリザリン寮でもやっていけたなあ。
「そんなこと話すまでもなかったのに〜vv先生にならいつだってものにできるのに」
ほらほらと横にちゃっかりと座ったにスネイプはぶんぶんと顔を横に振る。
「ああ、ものに出来ないとおっしゃるならこっちがものにして上げてもよろしいんですよ、先生?」
それともまさかしたくないというんですか?
にっこりとその笑顔がなにより怖い。
面白いわあと傍観者でソーマは徹することにした。
「カヅキ!!」
「はい?何です、先生?」
そんなこっち見ないで下さいよ。が先生がソーマばっかり見つめる!!って切れるじゃない。
「ここのケーキで手を打とう」
ふふん、買収ですか。良い手ですがまだ甘いですよ。
「すいませーん!!ここのお勧めケーキとパフェとバタービール」
お願いしまーすと言えば苦々しそうな表情のスネイプ先生。
きっと『我輩の新しい研究雑誌が・・・』とか思ってるのだろう。
貞操に比べれば安いと思うけど。
運ばれてきたケーキを食べパフェを食べてバタービール飲み干して一息つく。
スネイプ先生はぐったりとのされるがままだ。
そろそろ貰った分は働きますか。
「ねえ、。買い物行かない?」
スネイプの首に腕を廻したまま顔だけをこちらに向けた。
「えー。先生も行くならいいけど」
ちらりと見上げる目線を合わせないようにするスネイプの姿勢に笑いが込み上げる。
首痛いってあの姿勢。
「私、可愛い服見つけたんだ。それ着ただったらスネイプ先生惚れ直す事間違いないって」
「惚れてもおらん!!」と言いたそうなスネイプ先生を無視してを急かす。
「・・・・わかった。じゃあ、私が戻るまで待っててくださいね」
ちゅっ
スネイプの頬に親友が口付けする場面を見て内心でスネイプに手を合わせ扉から連れ立って店を出た。
その後スネイプが紙ナプキンで頬を赤くなるまで拭いていた事を知ったのはその翌週のことである。
あとがき
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これが友人から貰ったFAXの漫画内容。
本気で大喜び。そして大ウケ。
いつか画像upします!!!