「学校行きたくないー!!」
「姉ちゃん・・・気持ちはわかるけど行かないと・・・」
正論なツナの言葉には渋々ベッドから起き上がった。
「ううっ・・・雲雀なんて大嫌いだよ」
時期外れの転校生は嵐を呼ぶ。
「10代目!さんもおはようございます!!」
元気いっぱいという様子で挨拶してきたのは獄寺隼人君。
ツナの説明によるとボンゴレの一員でダイナマイトを扱う凄い人らしい。
なんでもツナの右腕に立候補していて山本君と対立している、らしい。
一方的に。
私としてはとっても可愛いからそんなダイナマイトなんて危ないもの使う人なんて思えないんだけど。
「ごっくんおはよー」
語尾にハートマークが乱舞してしまうのは仕方ない。
だって可愛いんだもん。
ツナも可愛いけど最近ちょっと可愛くない。
昔は姉ちゃん大好きーって言ってくれてたのに。
やっぱりお年頃だもんね、ツナも。
獄寺君はイタリア美人なビアンキさんの弟君。
顔もカッコいいのよねとはよしよしと自分より少し高い獄寺の頭を撫でてやった。
「ッ・・・さんっ!!子供扱いは止してくださいっ!!」
大体変なあだ名つけないで欲しいっすと言われてしまった。
獄寺君も反抗期かなー。
「だって可愛いから、ごめんね?」
怒った?と聞けばぶんぶんっと首を横に振る。
「っっっ!!・・・怒ったりしてません。・・・けど俺は・・・」
獄寺が何か言う前にハヨーっと声が掛かる。
「山本おはよう」
「おはよう、山本君」
「ツナもさんも元気だなァ」
爽やかに登場した山本武のお陰で獄寺の言葉は宙に浮く形になる。
「早くいかねーと遅刻になるぜ?」
その言葉に一同は止めていた足を動かし始めたのだった。
ツナ達と別れて二年の教室へ行く。
ガラリと開けて出たのは溜息だった。
の席は一番教卓から離れた窓側だった。
なんて素敵な内職席と喜ぶところだが生憎そう簡単なものではなく。
「おはよう、」
今日も群れて来たのかい?噛み殺すよ。
そんな物騒な言葉を放つ人物が隣の席に座っているのだ、喜べる人間はそうそういない。
「・・・雲雀・・・君、朝から物騒なこと言わないでくれるかな」
君付けるのも嫌だがクラスメイト達に呼び捨てなんてとんでもないと懇願されて仕方なく。
ああ、親しくなれそうだった女の子や男の子の一般人は私と雲雀恭弥の席から二メートルくらい離れている。
なんだか隔離政策にでもあってるようで居心地は、悪い。
「僕は今から巡回に出るからいい子にしてなよ」
「何その言い方」
ムカつくんですけどーと言ってやれば鋭い視線。
「・・・喰い殺すよ」
その言葉には無視をしていたのだがいつもと違う「噛み殺す」ではなく「喰い殺す」の言葉の意味を
正確に感づいたクラスメイト達はからますます距離を置いたのだった。